30周年記念式典 会場の様子

 2017年4月21日(金)に静岡市のホテルアソシア静岡において、静岡県シートメタル工業会の30周年記念式典が開催されました。

 会場となったホテルアソシア静岡(旧:静岡ターミナルホテル)は30年前に静岡県シートメタル工業会発足の会を開催した記念すべき場所です。

 30周年記念式典では静岡県シートメタル工業会が歩んできた経緯が素晴らしい動画で紹介されました。記念講演では、ラグビーのヤマハ発動機ジュビロの監督をされている、清宮 克幸 様に『最強の組織づくりとリーダーシップ』−ヤマハラグビーはなぜ日本一になれたか− をテーマに貴重なお話をしていただきました。

 30周年というお祝いの席には、経済産業省の蘆田様をはじめ、静岡県産業復興財団の松浦様、高齢・障害・求職者雇用支援機構 金久保様、静岡県中小企業団体中央会 田中様、愛知県、神奈川県、長野県の各工業会代表者さまにもご臨席を賜り、総勢100名が参加された盛大な式となりました。


■静岡県シートメタル工業会 30周年記念式典

 
開会の辞 森副会長  
   
会長の挨拶 久保田会長
 
久保田会長の挨拶

 静岡県シートメタル工業会は昭和63年に設立し、128社の会員でスタートしました。

 会員相互の横のつながりを通し、精密板金加工業界の発展のため相互研鑽の場として設立しました。設立主意として、経営力の強化、技術向上、情報交換などの幅広い活動を通して発展していくことを目的としております。
 現在は73社の会員で運営しており、歴代の会長さまには輝かしい実績を作り上げていただきました。活動としては技能検定に向けた研修会の実施、4月には総会を開催し、技能検定合格者の表彰を行っております。経済産業省にご協力をいただき、日本のこれからの流れや経済対策等の勉強会などを行い、会員企業の皆さまの仕事に大いに役立っております。また、若手育成の勉強会や国内外の研修会にも取り組んでおり、レクリエーションとしては毎年三保海岸で行う地引網やゴルフ大会も開催しております。

 30周年は一つの通過点です。会員企業と共に工業会も次の40年50年に向けて歴史を作っていきたいと考えております。

   
 
開会の辞:森副会長   閉会の辞:佐藤理事
 
   
来賓のご紹介  
  経済産業省素形材産業室 室長 蘆田 和也 様  
公益財団法人 静岡県産業振興財団 副理事長兼専務理事 松浦 敏明 様  
高齢・障害・求職者雇用支援機構 静岡支部統括 金久保 隆 様  
静岡県中小企業団体中央会 常務理事 田中 秀幸 様  
愛知県精密板金工業会 会長 鈴木 信夫 様  
長野県シートメタル工業会 監事 猪又 孝夫 様  
神奈川県シートメタル工業会 会長 太田 光昭 様  
株式会社アマダホールディングス 代表取締役社長 磯部 任 様  
株式会社アマダ 代表取締役社長 柴田 耕太郎 様  
アベメイカーズ株式会社 取締役会長 阿部 徳市 様  
株式会社たつみ電機製作所 代表取締役会長 佐藤 和亘 様  
大東鈑金株式会社 取締役会長 鈴木 英雄 様  
芝原工業株式会社 代表取締役社長 芝原 利一 様  
   
来賓のご祝辞
経済産業省素形材産業室 室長 蘆田 和也 様  
 
経済産業省素形材産業室 室長 蘆田 和也 様

 まずは30周年記念式典が盛大に開催されることをまずはお祝い申し上げます。

 板金加工は我が国のモノづくりの基盤産業の基盤産業であると思っております。精密板金加工をはじめとした技術力をもってご活躍いただいており、製造強国の一翼を担っていただいております。

 経済は戦後3番目に長い景気回復局面にあります。仕事量が足りないよりも人材が足りないという課題をよく耳にします。これからの将来を見たときに大きな変革の時代になっていると感じます。新たな技術が出てくる中で、モノづくりがどうなっていくか、産業の垣根を越えてつながっていく「コネクティッド インダストリー」を経済産業省として支えていくことを進めていきたいと思います。まさにシートメタル工業会が取り組んでこられた活動が重要になってきます。

◆経済産業省素形材産業室の取り組み

1.未来志向型取引官公の実現
  下請け取引における商慣行の改善に力を入れて取り組んでいます。


2.3Dプリンターなど新しい技術への取り組み
  皆さまにはリーディングユーザーとして新たな市場を獲得していただきたいです。

3.大きな変革の中で稼ぐ力をつけていただく
  新たな仕事へシフトいただけるようなお手伝いができるよう、稼ぐ力研究会を設立して
  取り組んでいます。チームジャパンとして新たな市場を開拓していくお手伝いをしたいと
  考えています。技術開発支援やBCPの策定支援などもしっかりと支えていきたいです。

 次の40周年50周年に向けて会員各社さまの発展と工業会の発展を祈念させていただきたいと思います。

 
     
公益財団法人 静岡県産業振興財団 副理事長兼専務理事 松浦 敏明 様  
 
公益財団法人 静岡県産業振興財団
副理事長兼専務理事 松浦 敏明 様

 静岡県の製造業を取り巻く環境は海外移転などにより変化している中、県内企業の皆さまは改善改革をしていただいております。工業会でも技能検定などによる技術力向上、人材育成に努めていただいております。皆さまのようにがんばる中小企業を応援しようと様々な事業に取り組んでおります。

1. 静岡モノづくり革新インストラクタースクール
  すべての製造現場で通用する役立つスキルを学んでいただきます。よい設計によい流れという理論に基づき、座学と現場実習で18日間学んでいただきます。中小企業にインストラクターを派遣する活動もしております。
   
2. IoT活用研究会
  27年度に設立し190社ほどで活動しており、IVI(Industrial Value Chain Initiative)の協力を得て実践セミナーを行っております。また、IT関連企業と中小企業のマッチングを行っており、管理が大変な加工工具の在庫管理をICタグやスマホを活用して在庫管理を行う実証試験をしております。


販路開拓支援なども行っておりますので、ぜひご活用ください。

 
     
静岡県中小企業団体中央会 常務理事 田中 秀幸 様  
 
静岡県中小企業団体中央会
常務理事 田中 秀幸 様

 中央会も一昨年に創立60周年を迎えることができました。
 静岡県はモノづくりの産業で支えられている県です。お手伝いをさせていただいているモノづくり補助金は東京、大阪、愛知に次いで静岡県が採択企業数の多い地域で、モノづくりに情熱をもって取り組まれている証かと思います。

 人材確保、人材育成がこれから重要な課題になってまいります。当会も4年前から取り組んでおりますが、昨年から後継者の育成を目的とした「未来につなぐアカデミー」を開講し、28名の後継者の方々に集まっていただきました。横のつながりを持っていただく、支援をされている方々との人的なつながりを持っていただくということを目的として、今年度も引き続き計画しております。

 さらに高い技術の製品や他社との差別化が求められるだろうと思います。工業会が取り組んでいらっしゃる技術力向上、人材育成は最も重要なことです。

 今後もモノづくり基盤を支えていただく重要なお仕事として、今後もご活躍されることを祈念いたします。

 
   
30年のあゆみ
 
   
感謝状授与、ご挨拶 (株)アマダホールディングス 代表取締役社長 磯部 任 様
 

 30年という長きにわたり、工業会を盛り立てていただきました感謝を込めて、(株)アマダホールディングスを代表して代表取締役社長 磯部 任 様より表彰状を贈り、ご挨拶をいただきました。

 昭和63年から128社の有志の皆さんで、同じ業界で切磋琢磨され横のつながり、業界の促進、人材育成等に高い志を持って運営されてこられました。歴代の会長および、現久保田会長以下会員の皆さまにも大いに敬意を表するところでございます。

 日本のみならず、世界のモノづくりが大変革を迎えています。IoT、第4次産業革命の中で異業種間でのビジネスモデル構築が盛んになっていくだろうと思います。経営も投資をして成長戦略に乗っていくか頭を悩ませられているのではないかと思います。アマダグループもお客さまの信頼をいただけるよう商品力、ソリューション力、サービス力を上げて皆様のご期待に添えるようにしていきたいと考えております。

 益々のご発展と会員企業さまのご繁栄を祈念しましてお祝いの言葉とさせていただきます。

 
   
 
感謝状授与   (株)アマダホールディングス
代表取締役社長 磯部 任 様
 
   
閉会の辞 佐藤理事  

 


■記念講演

 

『最強の組織づくりとリーダーシップ』
 −ヤマハラグビーはなぜ日本一になれたか−
 ヤマハ発動機ジュビロ監督 清宮 克幸 様

 

記念講演では、ヤマハ発動機ジュビロの監督を務められている清宮 克幸 様にご登壇いただき、ニュースでしか切り取られていなかったことの裏側なども熱く、楽しく1時間半に渡りお話しいただきました。

ラグビーをはじめ団体競技のスポーツはそれぞれの役割が決まっていることが多く、勝利に向けて役割を遂行していくことから、組織ビジネスにおいて考え方を重視されています。数々の実績を上げて来られた清宮監督の最強の組織づくりを参考にしてください。

 
清宮 克幸 様 プロフィール
1967年7月17日生まれ49歳。
大阪市福島区出身の元ラグビー選手。現役時代のポジションはナンバーエイト、フランカー。
早稲田大学ラグビー部の元監督。現トップリーグヤマハ発動機ジュビロの監督。
長男は高校野球で有名な、清宮 幸太郎。
 
◆略歴
  【現役時代】
大阪府立茨田高等学校を経て、早稲田大学に入学し、2年時に日本選手権優勝、4年時は主将として全国大学選手権優勝を果たす。卒業後はサントリーに入社する。
1990年 U23日本代表としてアメリカ代表に勝利。
1992年 日本選抜でオックスフォード大学に勝利。
1995年 全国社会人大会優勝
1997年1998年 全国社会人大会準優勝
2001年 現役を引退
 
【監督時代】
2001年 早稲田大学ラグビー部監督に就任 関東大学対抗戦全勝優勝
  2003年 13年ぶりに全国大学選手権優勝
    「ワセダクラブ」の建設や専務理事を務める
    「奥・井ノ上イラク子供基金」発起人となる
  2006年 連覇達成。社会人強豪のトヨタと対戦、トーナメント制移行後初めて社会人上位チームを破った。
    早稲田監督を勇退し、サントリーサンゴリアスの監督に就任した。
    トップリーグ2位、マイクロソフトカップ準優勝、2シーズン目にマイクロソフトカップで優勝を果たした。
  2010年2月 サントリー監督を辞任。
  2011年2月 ヤマハ発動機ジュビロの監督に就任。
  2015年2月 第52回ラグビーフットボール選手権大会決勝において、サントリーを破り、初優勝を果たした。
 
◆ヤマハのルーズヴェルトゲーム※1
   
 

2009年11月 リーマンショックのあおりを受け、ヤマハは2000億円の赤字決算を発表する。
経営再建策
1.2000人規模のリストラ
2.ラグビー部の撤退

 再建のキーマン、戸上社長が就任する。ラグビー大好きな社長であるが、経営再建に向けて苦渋の決断でラグビー部の廃部を決める。
サントリーの監督時にもヤマハの流出メンバーリストが届いた。プロ以外のメンバーは移籍先がほぼ決まっていく。

 4月に戸上社長が志半ばで白血病で倒れ、後任に柳社長が就任。柳社長はスポーツを生業としている会社がスポーツをやめてはいけないという信念で急遽ラグビー部に翌年の復活を唱える。

 当時、ヤマハのリーダーであり、早稲田大学監督時代の教え子だった大多尾選手が、「清宮さんを連れて来られたらプロのみんなと会社に残る」という発言を受けて、ヤマハから打診があった。話を聞いて、「面白い、やりましょう!」と即答。1年空けた2011年にヤマハ発動機ジュビロの監督に就任し、2015年にはラグビーフットボール選手権大会決勝において、サントリーを破り優勝を果たした。

  ※1 ルーズヴェルトゲームとは
  作家 池井戸潤さんの小説で、企業スポーツをテーマにしたドラマ化された。野球の大好きな中小企業社長が経営再建に向け、苦渋の決断で野球部廃部を決める。大手企業のライバルチームに勝つ要素を根こそぎ引き抜かれる。変わった監督が就任し、空いた穴を従業員の中から埋めていき、地区大会で優勝を果たす。
   
◆ヤマハラグビー改革プラン
   
  1.熱を冷まさないマネージメントをする
  ラグビー部存続の危機を乗り越えて、追い込まれていた選手たちは試合で必死の戦いをしていた。トップリーグという社会人ラグビーの中で負けた悔しさで泣いているチームを初めて見た。この熱を冷まさないマネージメントをしなければと考えた。
人数不足となって補強したのは、週末ラグビーをしていた人、他社のラグビーOB、ラグビー部がなくなってもと入ってきた新卒のラグビー経験者を加入させ、チームを再構成させた。
   
  2.ヤマハしかやらないラグビーを作りこむ
  こういう時はまっすぐ走るべきなど、ラグビーに多かったセオリーを変え、オリジナリティを作った。世界のスクラムを研究させて、ヤマハのスクラムを編み出した。現在日本代表チームのスクラムスタイルはヤマハのスクラムを取り入れている。
初めて練習にレスリングを導入した。人がやらないことをやる。
   
  独自性を持つ → 結果を出す → 団結力が芽生える  人が変わる
   
◆独自性を言葉化していく
   
  しなければならないことが明確になる。ドラマ「下町ロケット」にもあったスローガン『ロケット品質、ツクダプライド」のような伝わる言葉は代表的。独自性をもって結果を出したものが得られるものをどう作るかが組織のキーになると考えている。
   
  早稲田大学時代 「アルティメット・クラッシュ」“究極の破壊”を意味する。
   相手選手の反則を責めても仕方がない、反則をさせないプレーをする
  サントリー時代 「ALIVE」 あきらめず次に何か行動する
   一流の練習をしていても、試合の時の「ALIVE」がないと勝てない。
  ヤマハ 「ヤマハスタイル」 ヤマハしかやらないことをやって結果を出す
   
◆先輩が残してくれた言葉
   
  外交官を務めていた早稲田大学の先輩である奥 克彦さんは2003年イラクでテロリストに襲撃され殉職する。「ノブレスオブリージュ」その立場にある人間が果たすべき責任という意味の言葉は様々な言葉をいただいた中で深く胸に刻まれている。テロリストに狙われているにも関わらず、外交官として生きて、今この仕事を捨ててどうして帰れようか。イラクの子供たちや日本のためにノーサイドになるまで体を張り続けた。亡くなったあと、仲間と話している中で奥さんにもらったこの言葉で前を向き、残った人間がこれから何をするかではないかと考えて前進できた。「ノブレスオブリージュ」を軸に行動を考えるようになり、前進できるようになった。
   
 
 
     
 
 

■懇親会の様子

 

30周年記念式典のご来賓より祝辞を賜りました。

来賓祝辞 愛知県精密板金工業会 会長 鈴木 信夫 様
  30年グローバル化の進展とともに、世界経済は大きな成長を遂げてまいりました。2008年にはリーマンショックに見舞われ、日本経済も大きな打撃をうけました。その中で30年の長きにわたり会員企業相互の親睦や情報交換の場にとどまらず、技能検定など会員企業の従業員教育にも取り組まれ、業界の発展に寄与されてきたことに深く敬意を表します。オリンピック・パラリンピックに向け大きなプロジェクトが走り始めました。明るい話題がある一方、少子高齢化に基づく経済確保などシートメタル業界を取り巻く環境は厳しくなっていくと思いますが、静岡県の活動を参考に乗り切っていきたい所存です。

乾杯 (株)アマダ 代表取締役社長 柴田 耕太郎 様
 30年前のモノづくり、製品について30年前に発売され今もなお愛されている製品があります。花王の「アタック」とアサヒビールの「スーパードライ」です。企業ブランドとして確立してトップブランドを維持することは大変なことです。静岡に目を向けると、ピアノ、オルガンといえばヤマハ、バイク、スクーター、マリン製品といえばヤマハ発動機というように製品と会社名がつながることを我々も目指し、鋭意努力していきます。

余興披露 歌手 燕エン 様
 美しく力強い歌声で、「みかんの花」や「涙そうそう」などを心をこめて歌っていただき、お祝いの席に花を添えていただきました。

抽選会 青年部主催
 役員が静岡の物産を持ちより提供していただいた商品の抽選会を行いました。アマダ賞として3万円の商品券もご提供いただき、大いに盛り上がりました。

 
 
開宴の辞 内山理事   会長挨拶 久保田会長
 
ご来賓挨拶
 愛知県精密板金工業会 会長 鈴木 信夫 様
  (株)アマダ 代表取締役社長 柴田 様の乾杯
 
懇親会の様子   余興 燕エン 様
 
抽選会の様子   閉宴の辞 松永監事
 
 最後に中締めとして、松永監事より、30年支えてきて下さった歴代の会員さまへの感謝を述べられ、以前工業会の研修で教えていただいたという「博多手一本」で締めていただきました。大変盛り上がり、会場が笑い声に包まれる中、盛大な30周年記念式典の懇親会が終了いたしました。
 
ご臨席いただきました方々に、この場をお借りして感謝申し上げます。
 

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